日東駒専は日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の4私立大学を指します。
首都圏における準難関私立大学のグループとして受験用語として使われることが多いです。
そんな日東駒専はそれぞれの大学で校風や持たれるイメージが違っています。
当記事では日東駒専の評判を中心に解説をしています。
日東駒専全体に対する世間のイメージ
日東駒専ということばは1960年代に旺文社の受験雑誌で、日東専駒というくくりで首都圏の4私立大学(日本大学、東洋大学、専修大学、駒澤大学)が紹介されたことがきっかけで普及したといわれています。
それから時代を経て、語呂が良いように日東駒専として定着していきました。
日東駒専の難易度は関西圏でいえば「産近甲龍」(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)とほぼ互角。
偏差値は医学部など一部の学部を除くと概ね45~55に分布されていて、平均的レベルの受験生が通う大学というイメージを持っている人が多いようです。
それぞれの大学はスポーツ界や芸能界にも人材を多数輩出していてそれらの著名人のイメージを大学に対して持っている人も少なくないのだとか。
日東駒専それぞれの大学に対する世間のイメージ
日本大学
日本大学は日東駒専のなかで最も知名度のある、日本最大規模を誇る大学です。
東京都内に本部が置かれており、東京の大学というイメージが強いのですが、埼玉県、千葉県、神奈川県、福島県などにもキャンパスがあります。
日本大学は超マンモス大学であるだけに、大人数での講義が中心とイメージされがち。
ただ実際は、各学部は独立したキャンパスを有しているため、きめ細やかな少人数教育が行われています。
日本大学は学部生だけでも約67,000人が在籍。
OBOGは100万人を超える規模を誇ります。
また、日本大学出身の社長は 2018年データにおいては21,148名と日本一社長の多い大学としても知られています。
それだけに、一定規模の企業に入社したら日本大学出身の上司が必ずと言っていいほど勤務しており、日東駒専のなかでも何かと就職に有利な大学であるという声も数多くあります。
なお、俳優の小泉孝太郎さん、演出家のテリー伊藤さんはじめ芸能界にも数多く人材を輩出していて、多岐にわたる分野に人材を輩出している大学であるというイメージを持っている人も多いようです。
東洋大学
東洋大学は東京都内に白山に本キャンパスがあります。
日東駒専においては、女子学生からの人気を最も集めている大学というイメージが強いようです。
キャンパス内には緑を配し、東洋大学の学食は学外からもわざわざ食べにくるほど美味と評判。
国際学部、国際観光学部、食環境科学部なども整備し、ムーミンをイメージキャラクターに起用。
そういった改革が女子学生受けしているようです。
一方、東洋大学はスポーツにも力を入れている大学。
特に箱根駅伝では何度も優勝経験があります。
また、OBである水泳の萩野公介さんや陸上の桐生祥秀さんのイメージを東洋大学に持っている人も少なくないようです。
駒澤大学
駒澤大学1952年に設けられた曹洞宗の学林を起源としている歴史ある大学です。
キャンパス内には禅文化歴史博物館があるなど、仏教と禅の精神が教育の中にも生かされています。
そういったことから歴史研究に強く真面目で探求心のある学生が多いというイメージを持っている人が多いようです。
OBにおいてはコメディアンの萩本欽一さんが社会人枠で入学したことが話題になりました。
生涯教育にも強みがある大学というイメージもあるようです。駒澤大学はスポーツも強く、特に箱根駅伝では優れた成果を残しています。
専修大学
専修大学は「就職の専修」ということばがあるほど実学に力を入れている大学です。
公認会計士を目指す会計士講座、職業適性講座、公務員講座、就職合宿など、就職や資格取得に向けたさまざまな講座が用意されています。
また、カリキュラムもフレキシブルで教養科目を幅広く学ぶことができるようになっています。
専修大学の学生は堅実で勤勉であるというイメージを持っている人が多いようです。
キャンパスに関しては東京のど真ん中である東京都千代田区に神田キャンパスがある一方、神奈川県の生田キャンパスは山を切り開いた高台にあります。
就職状況について
日東駒専の学生たちは銀行、商社、公務員、メーカー、マスコミほか多岐にわたる業界に就職が内定しています。
ちなみに東洋経済オンラインによると有名企業400社への就職率は7~9%台です。
有名企業への就職率
- 日本大学:9.1%
- 東洋大学:9.1%
- 駒澤大学:7.8%
- 専修大学:7.2%
(参照:東洋経済オンライン 有名企業400社実就職ランキング)
難易度について
河合塾によると日東駒専における一般入試の難易度は以下のようになっています。
日本大学 一般入試の偏差値
- 法学部 47.5~57.5
- 文理学部 47.5~60.0
- 経済学部 52.5~55.0
- 商学部 52.5~57.5
- 芸術学部 45.0~60.0
- 国際関係学部 47.5~52.5
- 危機管理学部 45.0~47.5
- スポーツ科学部 42.5~45.0
- 理工学部 45.0~55.0
- 生産工学部 40.0~47.5
- 工学部 37.5~45.0
- 医学部 67.5
- 歯学部 52.5~55.0
- 松戸歯学部 50.0~55.0
- 生物資源科学部 37.5~62.5
- 薬学部 50.0~52.5
東洋大学 一般入試の偏差値
- 文学部 47.5~60.0
- 社会学部 50.0~60.0
- 経済学部 50.0~60.0
- 経営学部 50.0~57.5
- 法学部 50.0~57.5
- 国際学部 47.5~60.0
- 国際観光学部 52.5~60.0
- 情報連携学部 45.0~57.5
- ライフデザイン学部 47.5~55.0
- 理工学部 45.0~52.5
- 総合情報学部 47.5~55.0
- 生命科学部 45.0~47.5
- 食環境科学部 45.0~47.5
駒澤大学 一般入試の偏差値
- 仏教学部 50.0
- 文学部 50.0~57.5
- 経済学部 55.0~57.5
- 法学部 52.5~57.5
- 経営学部 55.0~57.5
- 医療健康科学部 50.0
- グローバル・メディア・スタディーズ学部 57.5~60.0
専修大学 一般入試の偏差値
- 経済学部 52.5
- 法学部 55.0
- 経営学部 50.0~55.0
- 商学部 52.5~55.0
- 文学部 52.5~57.5
- 人間科学部 55.0~57.5
- 国際コミュニケーション学部 52.5
- ネットワーク情報学部 47.5~52.5
(参照:河合塾 入試難易予想ランキング表)
学費について
日東駒専における各大学の「初年度納入金額」は以下のようになっています。
日本大学
- 法学部 660,000~1,260,000円
- 文理学部 1,290,000~1,740,000円
- 経済学部 1,240,000円
- 商学部 1,240,000円
- 芸術学部 1,750,000~1,900,000円
- 国際関係学部 1,350,000円
- 危機管理学部 1,260,000円
- スポーツ科学部 1,400,000円
- 理工学部 1,690,000~1,730,000円
- 生産工学部 1,660,000円
- 工学部 1,660,000円
- 医学部 6,350,000円
- 歯学部 6,900,000円
- 松戸歯学部 6,900,000円
- 生物資源科学部 1,380,000~2,410,000円
- 薬学部 2,450,000円
東洋大学
- 文学部 715,000~1,330,000円
- 経済学部 715,000~1,190,000円
- 経営学部 715,000~1,190,000円
- 法学部 715,000~1,215,000円
- 国際学部 715,000~1,260,000円
- 国際観光学部 1,260,000円
- 情報連携学部 1,510,000円
- ライフデザイン学部 1,290,000~1,470,000円
- 理工学部 1,595,000円
- 総合情報学部 1,490,000円
- 生命科学部 1,590,000円
- 食環境科学部 1,590,000円
駒澤大学
- 仏教学部 1,245,000円
- 文学部 1,245,000円
- 経済学部 1,245,000円
- 法学部 792,500~1,245,000円
- 経営学部 1,245,000円
- 医療健康科学部 1,757,500円
- グローバル・メディア・スタディーズ学部 1,276,000円
専修大学
- 経済学部 1,224,000円
- 法学部 1,224,000円
- 経営学部 1,226,000円
- 商学部 1,226,000円
- 文学部 1,229,000~1,259,000円
- 人間科学部 1,247,000~1,327,000円
- 国際コミュニケーション学部 1,286,000~1,358,000円
- ネットワーク情報学部 1,424,000円
(参照:大学受験パスナビ)
まとめ
日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)は偏差値帯では同じぐらいの水準にあります。
ただ、それぞれの大学では強みや校風が異なっています。
日本大学は超マンモス校ゆえの圧倒的なネットワークと少人数教育が強み。
東洋大学は国際教育はじめ女子学生にも好まれる学風が特色。
駒澤大学は歴史研究などに長けており専修大学は会計士講座はじめ実学教育が充実しています。
将来やりたいこと、大学で学びたいことなどをふまえ、自分に合う大学を選びたいところです。





