「産近甲龍」は京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学のことで、関西における準難関私立大学グループの通称として知られています。
当記事ではそんな産近甲龍の評判を中心に解説をしています。
産近甲龍全体に対する世間のイメージ
「産近甲龍」という通称は、同じくらいのレベルにある関西の4私立大学(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)の頭文字を取って語呂がよい順につけられました。
1990年代前半に旺文社の雑誌でつかわれたのがはじまりといわれています。
「産近甲龍」のレベルは首都圏の大学でいえば「日東駒専」(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)に相当します。
偏差値は概ね40台半ば~50台半ばに分布しており、大学受験をする学生の平均的なレベルの学生が通う大学というイメージを持たれやすいようです。
産近甲龍には第一志望で入学する学生もたくさんいます。
一方、地方国公立大学や関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の滑り止めで受験をして入学をしたという学生も少なくないようです。
それぞれ本部は関西にあり、京都産業大学が京都府、近畿大学が大阪府、甲南大学が兵庫県、龍谷大学は京都府にいった具合に分かれています。
産近甲龍それぞれの大学に対する世間のイメージ
京都産業大学
京都産業大学はキャンパスが京都府北区にあります。
京都市内の大学でありながら山の上にキャンパスが位置して、最寄り駅からバスで20分ほどかかるため、交通の便がやや悪いという声も。
私立大学においては珍しく文系、理系全ての学部がひとつのキャンパスに集まっている特徴があります。
文理の垣根を飛び越えていろいろな分野で学問を深めることができ友達もできやすい雰囲気があるようです。
入試難易度はやや下降気味で、現時点で産近甲龍のなかにおいては4番手に位置しています。通っている学生はどちらかというと地味な印象を持たれやすいようです。
一方、就職に関しては偏差値の割には強いという声がたくさんあります。
もともと企業との連携を重視してきた大学であり、学生への就職支援の手厚さにも定評があります。
起業に関心を持つ学生も多く、京都産業大は社長が多い大学としても知られています。
近畿大学
近畿大学は産近甲龍のなかで最も勢いがあるとされる大学です。
本部は大阪府の東大阪市にあり、学部生の多くがこのキャンパスに通っています。
キャンパス内には英語村と呼ばれる英語オンリーの交流スペースがあったり24時間利用可能な自習室があったりするなど、独自の取り組みが好評。
また、入学式では卒業生で元シャ乱Qのつんくさんなど著名人がスピーチをつとめたり、近大マグロの養殖や全国でのビジネス展開がテレビで取り上げられたりするなど、受験界隈以外でも話題に事欠きません。
そういったさまざまな改革も功を奏し志願者数は全国トップを記録しました。
入試レベルは長年、産近甲龍においては中堅クラスであったのですが、近年は知名度とブランド力のアップにより頭一つ出ているといわれることが多くなってきています。
実際、近畿大学の上位学部は関関同立の4番手である関西大学の偏差値と遜色ないレベルにまで上昇しています。
近畿大学は日本屈指のマンモス大学のひとつです。
大阪府の大学というイメージを持たれがちですが奈良県、和歌山県、広島県、福岡県にもキャンパスがあります。
近畿大学には医学部と薬学部もあって理系にも強い大学というイメージも持たれています。
甲南大学
甲南大学は産近甲龍の中では長年トップクラスの難易度を誇ってきました。
全国から受験生は集まりますが、その多くは兵庫県と大阪府に集中している印象があります。
甲南大学の本部キャンパスは兵庫県の中でも高級住宅街が広がる西宮にあり、上品でオシャレなイメージを持たれることが多いようです。
また、甲南中学、甲南高校にはお金持ちのお坊ちゃん、お嬢さんが通うイメージもあって、甲南大学にもお金持ちの学生が多いというイメージも持たれがち。
甲南ボーイという言葉もあるくらいです。ただ実際は庶民的な学生もたくさん通っています
龍谷大学
龍谷大学1639年に作られた西本願寺が作った学寮を起源とした大学です。
以来、浄土真宗本願寺派に数多くの人材を輩出しており仏教界の名門大学としてのイメージを持たれがち。
看板学部は文学部で、仏教研究や歴史研究には定評があります。
龍谷大学でしか学べないことがあるという理由で、第一志望で入学する学生も毎年一定数存在するようです。
入試レベルは産近甲龍の中では甲南大学とほぼ互角といったところでしょうか。
龍谷大学に通っている学生についてはどちらかというと地味で堅実なイメージを持っている人が多いです。
深草学舎と大宮学舎は京都の街中にあるだけに、都会の大学というイメージを持たれがちですが、瀬田学舎は滋賀県の瀬田駅からバスで10分ほど行ったところにあり田舎という声も。
就職状況について
産近甲龍は、銀行、証券会社、メーカー、公務員、製薬会社ほか就職先は多岐にわたっています。
学歴フィルターの存在についてはさまざまな意見がありますが、産近甲龍は企業の採用ターゲットにギリギリ入るレベルだとされることが多いようです。
ちなみに東洋経済オンラインによると、2019年卒の有名企業400社大企業への実就職率はおよそ1割ほどだとされています。
- 京都産業大学 9.8%
- 近畿大学 9.6%
- 甲南大学 9.4%
- 龍谷大学 8.9%
(参照:東洋経済オンライン 有名企業400社実就職ランキング)
学費について
産近甲龍各大学の「初年度納入金額」は以下のようになっています。
京都産業大学
- 外国部学部 1,185,500円
- 文化学部 1,185,500円
- 現代社会学部 1,155,500円
- 国際関係学部 1,255,500円
- 法学部 1,092,500円
- 経済学部 1,092,500円
- 経営学部 1,092,500円
- 理学部 1,453,500~1,523,500円
- 情報理工学部 1,523,500円
- 生命科学部 1,523,500~1,619,500円
近畿大学
- 文芸学部 1,361,500~1,718,500円
- 総合社会学部 1,361,500円
- 国際学部 906,500円※
- 法学部 1,362,300円
- 経済学部 1,362,400円
- 経営学部 1,362,400円
- 工学部 1,662,500円
- 建築学部 1,718,500円
- 理工学部 1,718,500円
- 生物理工学部 1,716,500円
- 産業理工学部 1,143,500~1,518,500円
- 農学部 1,716,500円
- 医学部 6,804,500円
- 薬学部 1,718,500~2,308,500円
※国際学部の初年度年間納入金は90万6,500円+留学費用。
留学期間中は近畿大学の学費が免除となるが留学先の学費が必要となります。
甲南大学
- 文学部 1,258,500円
- 経済学部 1,278,500円
- 経営学部 1,283,500円
- マネジメント創造学部 1,245,500~1,674,500円
- 理工学部 1,616,500円
- 法学部 1,272,500円
- 知能情報学部 1,616,500円
- フロンティアサイエンス学部 1,778,500円
龍谷大学
- 文学部 1,054,000円
- 社会学部 1,088,900円
- 国際学部 1,110,000~1,425,000円
- 法学部 1,055,000円
- 政策学部 1,070,000円
- 経済学部 1,054,000円
- 経営学部 1,054,000円
- 先端理工学部 1,545,600~1,595,600円
- 農学部 1,307,900~1,645,600円
(参照:大学受験パスナビ)
難易度について
京都産業大学 一般入試偏差値
- 外国部学部 50.0~55.0
- 文化学部 50.0~52.5
- 現代社会学部 52.5
- 国際関係学部 52.5~55.0
- 法学部 50.0~55.0
- 経済学部 50.0~52.5
- 経営学部 52.5
- 理学部 47.5~52.5
- 情報理工学部 52.5
- 生命科学部 47.5~52.5
近畿大学 一般入試偏差値
- 文芸学部 50.0~55.0
- 総合社会学部 55.0~57.5
- 国際学部 52.5~57.5
- 法学部 57.5
- 経済学部 55.0~57.5
- 経営学部 55.0
- 工学部 45.0~52.5
- 建築学部 52.5
- 理工学部 47.5~52.5
- 生物理工学部 45.0~47.5
- 産業理工学部 45.0~50.0
- 農学部 47.5~55.0
- 医学部 67.5
- 薬学部 52.5~57.5
甲南大学 一般入試偏差値
- 文学部 52.5~55.0
- 経済学部 55.0
- 経営学部 55.0
- マネジメント創造学部 52.5~55.0
- 理工学部 47.5~50.0
- 法学部 52.5~55.0
- 知能情報学部 50.0
- フロンティアサイエンス学部 50.0
龍谷大学 一般入試偏差値
- 文学部 42.5~57.5
- 社会学部 47.5~52.5
- 国際学部 50.0~55.0
- 法学部 52.5~55.0
- 政策学部 55.0
- 経済学部 52.5~55.0
- 経営学部 52.5~55.0
- 先端理工学部 45.0~50.0
- 農学部 45.0~47.5
(参照:河合塾 入試難易予想ランキング表|一般入試の難易度)
まとめ
産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)は、関西における準難関大学で一部学部を除くと偏差値は概ね42.5~55.0に集まっています。
各大学については「就職に強い」、「勢いがある」、「オシャレ」、「堅実」というイメージを持っている人が多いようです。