日本人初となる9秒台を叩き出した桐生祥秀。
アジア大会では男子100mで日本人初となる優勝を成し遂げ、今シーズン絶好調な日本陸上界を先頭を走る桐生について紹介したいと思います。
桐生祥秀とは?
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- 名前:桐生祥秀(きりゅうよしひで)
- 出身地:滋賀県
- 生年月日:1995年12月15日
- 年齢:23歳(2019年6月13日現在)
- 血液型:O型
- 身長/体重:176cm/70kg
- 高校:京都洛南高校
- 大学:東洋大学
- 所属:日本生命
自己ベスト
- 100m:9秒98(2017年)日本人歴代2位
- 200m:20秒39(2019年)
アジア大会優勝!国際大会初の金メダル!今シーズン好調の要因とは?
2019年4月22日(日本時間23日)にカタール・ハリファ競技場でアジア選手権大会が行われました。
桐生は男子100mに出場し、アジア選手権初の優勝という快挙を成し遂げました!
桐生自身にとっても国際大会初の金メダルを獲得しました。
予選で10秒29(追い風0.9m)で1着でゴールすると、翌日行われた準決勝では10秒12(追い風1.4m)と予選よりも0秒17も縮め全体1位のタイムで決勝へと進みました。
約2時間後に行われた決勝では、10秒10(追い風1.5m)とさらにタイムを縮めトップでゴールしました。
スタートはやや遅れたが、焦ることなく力まずに終盤への走りにつなげています。
アジア人で初の10秒台の壁を越え最強の男といわれる蘇炳添の不在、さらに山縣の棄権という絶対に負けられないレースの中で桐生は金メダルを勝ち取りました。
シーズン初戦の豪州・ブリスベンで行われた競技会では100mが10秒08(追い風2m)、200mでは6年ぶりの自己ベストを更新し20秒39でドーハ世界選手権の参加標準記録を突破し好調な滑り出しとなりました。
2017年に日本人初となる9秒99を出した桐生でしたが、それ以降は調子が振るわず個人種目では昨年ジャカルタ・アジア大会の代表入りを逃しています。2016年リオデジャネイロ五輪では男子100m代表3人の中で山縣、ケンブリッジ2人が準決勝に進出するも、桐生は唯一の予選落ちという屈辱的な経験を味わいました。
しかし、今シーズンの桐生はタイムだけでも好調な様子がわかります。
その要因として、メンタルトレーニングを取り入れたと明かしました。
桐生が取り入れたメンタルトレーニングとは?
メンタルトレーニングの内容というのも桐生自身もまだ具体的にはうまく説明できないといいます。
人間としていろいろ成功している人の話を聞くのも大事だと思う。別に陸上選手でずっといるわけじゃないので…(陸上を)やめてからもメンタルっていうのは大事かなと思いますね。
と一部分を言葉にしていました。
心の問題は、競技関係なく誰しもが直面する問題だと思います。しかし、成功している人はそれぞれ重要なところで最大限のパフォーマンスを発揮できる精神力を持っています。
メンタル面は、本人にしか理解できないことでありその時のレース状態によって心の状態も変わるものだと思います。いかに自分を理解し自分自身をコントロールできるかが鍵になってくると思います。
新たな取り組みとしてメンタルとレーニングを取り入れた桐生が今季の好調な走りである要因の1つでもあり、桐生の新たな強みになっていることは間違いないですね。
普段のトレーニング方法は?室伏に指導されているの?
なんと、桐生は2016年11月から男子ハンマー投げアテネ五輪金メダリストの室伏広治から筋トレを中心としたトレーニングを指導を受けています。
桐生は、それぞれのトレーニングにしっかりと指導者をつけ各分野それぞれを強化していく練習方法をとっているのですね!
弱点を強化していくことで強くもなるとともに、まだまだ伸びしろがあることに期待が高まります!
なぜ陸上部がない日本生命に入社したのか?
桐生は東洋大学を卒業後、2018年4月より保険会社大手の日本生命に所属しました。
しかし、日本生命は陸上部がないといわれています。多くの実業団からオファーがかかっていたのにも関わらず陸上部を持たない日本生命を選んだ桐生へのメリットは何があるのでしょうか。
1.スポンサー契約
まず、最大のメリットとしてスポンサー契約という形で契約したことによって、大学時代の練習環境を変えることなく競技生活を送ることができるようになります。
そして、実質としてプロ選手ということになります。陸上選手はプロへ進む人が少なく、実業団に所属しそこを練習拠点とする選手が多いため桐生のケースは珍しいです。
そのため、東洋大学を練習拠点として土江寛裕コーチとともに東京五輪までは練習するようです。
2.ゆずのファン
次に、桐生はゆずのファンであり、ゆずとコラボしたCMに出演したいとまさかの逆オファー。
現在、日本生命のCMにはゆずが出演しており大好きなアーティストがいたらそんな気持ちになってしまうのもわからなくありません。
3.東京五輪のゴールドパートナー
日本生命は、東京五輪のゴールドパートナーとなっています。
ゴールドパートナーとはワールドワイドオリンピックパートナーの一つ下のランクになっていて東京オリンピックの組織委員会との契約になります。
企業側は約150憶円前後の契約金を支払うことで日本国内限定で東京五輪の公式呼称の使用権や選手肖像権に関する権利などを得ることができ、自社の宣伝につながります。
これにより、9秒台を日本人で初めて突破した桐生が東京五輪で活躍することを期待し契約した可能性もあります。
4.多くの人に陸上を知ってもらいたい
桐生と桐生を指導している土江コーチは、卒業後の進路を決めるうえで「たくさんの人に陸上競技を知ってもらえる機会を作れる環境に」ということを話していたといいます。
そんな2人の思いもあり、「桐生をきっかけに陸上に興味がない人も引き込みたい」と陸上と縁のなかった企業を選択しました。
確かに、陸上と縁のなかった会社に所属することで陸上の知名度が広がります。
逆に、陸上の大会をみていれば桐生だけが赤いユニフォームを身に着けており、日本生命の文字がよく目に入ります。
どちらにとっても、一石二鳥だといえます